2014 CSSConf & JSConfレポート 第1回 CSSConf & JSConfとは
2014年11月下旬に連続してシンガポールで開催されたカンファレンスCSSConfとJSConfのレポート。第1回目は2つのカンファレンス全体の印象や雰囲気を中島が文章と写真でリアルにお伝えします。
はじめに
CSSConf、JSConfとは、世界の各国で開催されているテクノロジーカンファレンスです。主催している団体は開催場所によってそれぞれ異なります。今回筆者はシンガポールのセントーサ島で連日開催された、CSSConf.Asia(2014年11月19日)とJSConf.Asia(2014年11月20日〜21日)に参加しました。
ピクセルグリッドからはフロントエンド・エンジニアの山田 敬美、小山田、坂巻、筆者(中島)の4名が参加してきました。このシリーズでは全体の内容や、それぞれが気になったセッションについてレポートしていきます。
プログラム全体の傾向
CSSConfとJSConfのそれぞれについて、プログラム全体の傾向を紹介します。
CSSConf
CSSConfは1日だけの開催で、9つのセッションがありました。取り上げられていたトピックとしては、次のようなものがありました。
- 開発ツールや開発環境について
- SVG
- セレクタのパフォーマンス
- CSSフレームワーク
- CSS3D renderer
- CSSの設計
中でもBEMやOOCSSといった、しっかりとしたCSSを書くための設計手法の話や、Gruntやgulpといった自動化ツールについて触れているセッションが多かったように思います*。セッション全体の個人的な印象としては、あまり難易度の高いセッションはありませんでした。
*注:Grunt、gulp
Grunt、gulpについてはCodeGridの以前の記事も参照してください。
- 『現場で使えるGrunt入門』シリーズ
- 『現場で使えるgulp入門』シリーズ
JSConf
JSConfは2日間開催され、19のセッションと6つのワークショップ、そしてLT(ライトニング・トーク)などのイベントがありました。取り上げられていたトピックとしては次のようなものがありました。
- Node.js
- クライアント/サーバーのどちらでも実行できるJavaScript
- Reactive Programming
- CSSとJavaScriptを使ったアニメーション
- ダメなForm
- CSP (Content Security Policy)
- JavaScriptとスマートフォン上のセンサーとの連携
- コードの軽量化
- Web RTC
このほかワークショップがあったのですが、予約が間に合わず参加できませんでした。
かなり多岐にわたる内容でしたが、Node.js関連のセッションが特に多かったです。Node.jsで動く水上ボートを作るワークショップなんかもありました。また、HTTPのHeaderの話など、一見するとJavaScriptとは関係なさそうな印象を受けるセッションもありました。難易度も初歩的なものからかなりハイレベルなものまであり、理解が追いつかないくらい難しいセッションもありました。
いくつかのセッションでは、ただ単にコードやフレームワークなどについて話すだけではなく、ヴィジュアルやサウンドを使ったパフォーマンスをしていました。目や耳に残るセッションが多く、とても楽しめました。
CSSConfとJSConf、それぞれの個別のセッションの内容については、次回以降レポートします。
会場の様子
カンファレンスはホテルのレセプション会場で行われ、丸いテーブルを囲むように座席が配置されていて、とてもリラックスした状態でセッションを聞くことができました。
同じテーブルに座った人同士で会話がしやすい環境なためか、とても気さくに話しかけてくれる参加者が多かったです。参加者と話をしてみて驚いたのは、さまざまな国から人が来ていることです。現地の企業に勤めている人もいましたが、多くは遠方からの参加者でした(中にはロンドンから来ている人も)。
セッションが2つか3つ終わるごとに長めの休憩時間が取られ、用意されたビュッフェやデザートを食べながら参加者同士での会話が盛り上がっていました。
カンファレンスの開始時には参加証と一緒に、このCSSConfとJSConf用に作られたブラケッツという通貨(GitHubのOctcatが書かれている)が配られました。このブラケッツは会場内にあるコーヒースタンドやアフターパーティの会場で使うことができるというとてもユニークなものでした。
とてもかわいくて使いきるのがもったいなく思い、数枚を記念品として持って帰ってきてしまいました。
ライトニングトーク
JSConfではメインのセッションとは別に、ライトニングトーク(5分間のショートセッション)がセッションの合間にありました。弊社からも小山田がWebGL関連のライトニングトークを行いました。
今回6名の参加者がライトニングトークを行いましたが、なんと6名中4名が日本人の参加者(日本からの参加者が3名、現地在住の日本人が1名)によるものでした。メインセッションでこそ日本人のスピーカーはいませんでしたが、ライトニングトークという形で日本の開発者の存在を示すことができたのではと思います。
アフターパーティ
CSSConf、JSConfの終了後にはそれぞれアフターパーティが開催されました。CSSConfのアフターパーティはカンファレンス会場近くのパラワン島という小さな島で行われました。ビーチで海を眺めながらという、日本では体験できないような開放的な空間での懇親会はとても楽しかったです。
JSConfのアフターパーティはカンファレンス会場近くのビーチにあるクラブで開催されました。カンファレンスのスタッフがDJをやっていたり、オーガナイザーがプールで楽しんでいたりと、見ているこちらまで楽しくなる雰囲気でした。アフターパーティでは各国の開発者やデザイナーと、技術や自分の国の話をして盛り上がりました。筆者はパズドラの話で仲良くなった台湾の開発者と連絡先を交換したりしました。
おわりに
海外のカンファレンスへの参加は2度目ですが、他国の開発者とのコミュニケーションや、日本では見ないタイプのセッションなどを見ると、とても良い刺激になります。気になるカンファレンスがあればぜひ参加を検討してみてください。
今回はCSSConf.AsiaとJSConf.Asiaの全体的な紹介をしました。次回から、山田 敬美、小山田、坂巻、そして筆者が印象に残ったセッションからピックアップした内容を紹介していく予定です。