DevFest.Asia 2015レポート 第1回 DevFest.Asiaとは

2015年11月下旬にシンガポールで開催された開発者の祭典DevFest.Asiaのレポートをお伝えします。第1回目は、その中のCSSConf.AsiaとJSConf.Asiaの全般についてです。

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著者 中島 直博 フロントエンド・エンジニア
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はじめに

DevFest.Asiaは、シンガポールで開催された、開発者のお祭りです。10日以上に及ぶお祭りの期間中には、大小さまざまなミートアップが開催されており、その中にはCSSConf.AsiaJSConf.Asiaも含まれています。

ピクセルグリッドからはフロントエンド・エンジニアの小山田と筆者(中島)の2名が参加してきました。今回筆者は約1週間滞在し、CSSConfとJSConf以外にも、Talk.jsという現地のコミュニティが主催しているミートアップに参加してきました。小山田は他にも少人数のミートアップに参加してきました。

このシリーズではCSSConf・JSConfやミートアップの内容を中心に、それぞれが気になったトピックについてレポートしていきます。なお、CSSConfとJSConfについては、筆者が去年2014年に参加した際のレポートも参照してください。

CSSConfとJSConfのプログラム全体の傾向

まずは今回のDevFestの中心のイベントであるCSSConfとJSConfのそれぞれのプログラム全体の傾向を紹介します。

CSSConf

CSSConfは10のセッションがあり、取り上げられていたトピックとしては次のようなものがありました。

  • CSSの小ネタ
  • レスポンシブEメール
  • パフォーマンス計測
  • SVGアニメーション
  • CSS Modules
  • PostCSS
  • WebFonts

レスポンシブEメールといったニッチなトピックもあれば、CSS Modulesのような先進的な内容のトピックもありました。全体的に実践的な内容が多く、とても身になるカンファレンスでした。

JSConf

JSConfでは20のセッションとライトニングトークがありました。JSConfでは次のようなトピックが取り上げられていました。

  • Node.js
  • ハイブリッドアプリのパフォーマンス改善
  • Electron
  • CreateJSを使ったタイピングゲーム
  • WebAudioとCanvasを使ったDemosceneライブコーディング
  • モジュール化
  • セキュリティ
  • HTTP/2
  • Reactive Programming

今年のJSConfも多岐にわたる内容で、クライアントやサーバーサイドを問わずさまざまなトピックがありました。去年のJSConfでもありましたが、JavaScriptによる視覚効果を取り入れたセッションがいくつかありました。中でもMIDIに対応したシーケンサをつなぎ、JavaScriptでシーケンサからの入力を制御し、WebAudio APIで音を出すDJプレイのセッションは特に盛り上がりました。

「自分にもできるのでは?」と思うほど簡単にこなしていたのはお見事でした。

また、最初のセッション開始前には、会場から募った参加者3人によるパネル形式のクイズ大会が開催されました。

問題の内容としてはES2015(ES6)の仕様やフレームワークといった真面目なものから、猫や、開催地のシンガポールについてなどなど笑えるものまで、いろいろでした。「What is the new IE6?」といったジョーク問題などもあり、大いに盛り上がっていました。

ちなみにこのクイズ大会では優勝賞品としてiPad Proが贈呈されていました。

会場の様子

今回は、CSSConfとJSConfともにRed Dot Design Museumという、オシャレな美術館が会場でした。

会場となった場所は普段展示スペースとして使われているのか、通路の横には展示品と思われるバスタブなどが置かれていました。

セッションの合間合間にはコーヒーブレイクやランチなど、休憩タイムが多く用意されているので、丸一日の長丁場のカンファレンスでもそれほど疲れることなく参加できました。15時半すぎには会場内にバーがオープンし、アルコール片手にセッションを聞く参加者の姿も見られました。

1トラック進行に加えて、こういった合間の時間が多くとられているのは良い形式だなと感じました。

また、去年と同じく、今年も会場内で使える仮想通貨のブラケッツが配布されました。参加者はこのブラケッツを使い、会場内でコーヒーやアルコールを購入することができました。

カンファレンスの雑談用チャットでは「ブラケッツくれたらツイートしたりスター付けたりしてあげるよ」という冗談も交わされていました。

カンファレンスのために仮想通貨を用意するというのはとてもユニークでおもしろいなと思います。

アフターパーティ

CSSConfのアフターパーティはセッションを行った会場内の横のスペースで、JSConfのアフターパーティは市内のビルの屋上を貸し切って行われました。

去年のようなリゾート感はありませんでしたが、その分参加者同士の距離が近く、いろいろなデベロッパーの人たちとの会話を楽しめました(シンガポールは雨季なので、当日も若干雨が降っていました)。

シンガポールのおすすめポイント

シンガポールは電源やWi-Fiのあるカフェやコワーキングスペースが多くあります。街中のカフェではPCを開いてる人も少なくありませんでした。筆者もカンファレンスのない日にはカフェで仕事をしていました。街中でPCを使う環境が整っているだけでなく、シンガポールは安全でとても過ごしやすい環境なので、来年のDevFestに参加してみてはいかがでしょうか?

おわりに

今回はDevFest.Asiaの中からCSSConfとJSConfの全体的な内容の紹介をしました。次回からは、小山田と筆者の印象に残ったセッションからピックアップしたトピックについて紹介していく予定です。